こどもスタディツアー『北の大地でカムイを学ぼう! in 北海道』3日目
スタディツアー in 北海道の3日目です。
この日もプログラムがいくつもある1日となっており、国立公園での雪遊び、防災センターでお勉強、シカの角でクラフトと楽しそうなものがたくさんです!
子ども達の活動している様子をご紹介します!
【国立公園で雪遊び!】
この日もラジオ体操、朝食を済ませたら1日の活動が始まります。
午前は雪の中での活動です。
昨日の旭岳での寒かった経験から、雪遊びの装備はより一層寒さを通さないように注意しています。
3日目ともなれば準備も自分でできるようになっています!
▽初日の苦戦したゲーター(ズボンと靴の間から雪が入るのを防ぐ装備)も簡単に着けられるようになりました。
この日は活動地まで歩いていきます。
どういったルートで進むのかを地図で確認。
カズさん「今はこの地点にいて、今日はここから進んだ川の近くで活動をします!」
子「じゃあこっちからまっすぐ進んだらいいってことだね!」
子ども達は冒険の旅に向けて張り切りモードです。
ただ、ここで1つ予想外の出来事が・・・。
子1「暑い…」
子2「服着すぎた…」
スタッフ「たしかにちょっと暑いね」
かなり日が出ていたこともあり、出発前から汗がじんわりと出てきました…。
昨日の寒かった反省を活かそうと思って準備した子ども達でしたが、こんなところで大誤算(笑)
スタッフも天気予報から気温が上がることは把握して子ども達にも伝えていましたが、ここまで暑くなるとは思っていませんでした。
上着を脱ぐ、ネックウォーマーを外すなど、自身が快適に活動しやすいように調整をします。
いざ、森の中へ出発!
森の中は動物たちの棲み処であり、人が快適に過ごせるように整備されているわけではありません。
そこに人が通るための道は無く、人の足跡よりも動物の足跡の方がたくさあるくらいです!
しかも動物のそれは1種類ではないようです。
足跡の大きさや深さ、歩いた歩幅などを観察することで種類が違うのが分かります。
大きいものはシカ、小さいものはネズミと思われるものがあり、5種類ほどの足跡を見つけることができました。
また、耳を使って森を感じてみます。
すると、遠くからかすかに川の流れている音が聞こえてきます。
「あ!今日のゴールはあっちだ!」
周りは同じような見た目の木々に囲まれているので方向が分かりにくいですが、耳の情報によって方向が分かることを知りました。楽しいから話しながら歩いてしまっていましたが、それによって見落とす情報もあるんですね。
▽耳に手を当てると音がよく聞こえるようになるようです。
また、音の情報として『動物が出す音』も聞こえてきました。
どこかの木の上から「コンコンコンコンコン!!」と木を叩く音が!
これはクマゲラがくちばしで木を叩いている音です。
カズさんから「その近くにある木をクマゲラみたいに叩いてごらん!」と言われ、叩いてみる子ども達。
子ども達が『ドンドンドン!』と叩くとクマゲラは「コンコンコン!」と対抗してきます。
子ども達は「クマゲラが返事した!」と小さな声で大興奮!
このように対抗してくるのは縄張り争いのためだそうで、より上手に木を叩ける個体がその一帯に残ることができるそうです。ただ、私たちがあまり叩きすぎるとクマゲラが負けたと感じていなくなってしまうので、数回ラリーをして終わりにしました。
▽クマゲラと思われる痕跡を発見しました。木に穴が開き、周りには木くずがたくさん!
歩いている最中にはシカの糞や毛なども発見しました。
森の中には情報がたくさん!
子ども達は目を凝らしながら耳を使い、上下左右のどこにどんなものがあるのかを探しながら、この日の拠点に向かいました。
本日の遊びの拠点にする地点に到着しました!
少し息をついたら早速ここに拠点となるテーブルやいすを作っていきます。
みんなで協力しながら、スノーソーで雪を切って周りを掘っていきます。
形を整えると、だんだんとテーブルと椅子が見えてきました。
雪を盛りながら形を作るのではなく、テーブルと椅子の形に掘るというのは、積雪量が多いこの地域だからこそできるものでしょう!
テーブルが完成!
暖かい飲み物とおやつを準備したら・・・
今回の遊びの拠点が完成しました!
大掛かりに準備を進めたようにも見えますが、実は15分くらいで完成しています。
快適だし、座れるし、おやつもあるし、近くで雪遊びができるし!!
満足度MAXの拠点となりました!
ここからはそれぞれが好きなことをして遊びました!
▽昨日購入した『シカ笛』を試してみます。シカに聞こえるかな~?
▽かまくらを作って中で遊びます!
「上に乗ったら穴が開いた~!!!」
こうしてたくさんの雪の中で遊ぶことができました。
この広い森の中で遊んでいるのは私たちだけという、とても贅沢で貴重な経験をすることができました!
【防災センターってなに?】
昼食を宿で済ませたら、午後は防災センターの見学からスタートです。
ここ東川町には火山があり30年ほどの周期で噴火を繰り返しています。
この防災センターではこれまでの噴火の歴史や今後噴火が起こることを想定しての取り組みなどが展示されています。
防災センターの建っている丘のふもとには岩肌から湧き出た水が滝になっており、青い川が流れています。
川が青いのは、近くに温泉があり温泉の成分が水に混ざっているからだそうです。
▽286段の階段を上り、防災センターを目指します!
防災センターに到着しました。
ここには噴火に関する情報がたくさんあります。
神奈川や静岡に住んでいるとなかなか目にする機会がないものなので、子ども達も熱心に展示を見ています。
▽噴火の映像資料も見せていただきました。噴煙が舞い上がる様子に子ども達は息をのみます。
噴火が起こると分かっている山ですが、だからと言って人の力で噴火を止めることはできません。
ですので、防災センターのような避難できる設備を作ることや少しでも土砂が流れてこないように砂防ダムを造るなどの準備をしているのです。
この街に住んでいるからこその備えをしているということを展示や映像から学びました。
【シカの角でクラフト】
防災センターから戻ったら、シカの角を使ったクラフトを行います。
このクラフトではキーホルダーやネックレスなど自身が気に入るものを作ります。
子ども達はどんなものを作ろうかとワクワクしながら話を聞いています。
そして、今回の材料であるシカの角が目の前に出てきました。
子ども達は本物のシカの角を見るのが初めてだったようで、無意識に手がシカの角へと伸びていきます。
▽クラフトの前にはシカの角がどのように生え変わるのかなどの話を聞きました。
クラフト開始です!
シカの角をやすりがけし、ひもを通す穴を開けて縛ったら完成です。
シンプルですが、やすりをどれくらいするかがこの作品の味になります。
みんな集中してシカの角を削ります。
その時・・・
子「くっさ!!!!!(笑)」
子「ほんとだ!手がめっちゃ臭い!!!!!(笑)」
シカの角のにおいが手に移ったようです。
この匂いはシカの髄液のにおいです。シカの角を切った断面には細かい穴があり、そこは角が頭にあったときに血液が通っていた場所になります。その匂いは角が取れてからも残り続けるのです。
▽完成しました~!!
▽終わってからは匂いが無くなるまでひたすら手を洗っていました。
【雪遊び 延長戦!】
宿泊はこの日が最後。
明日は午前中にアイヌの記念館に行ったら、昼には空港に到着していなければなりません。
「もっと雪で遊びたかった…」という子ども達の要望から、夜に雪遊びをすることにしました!
子ども達は夜に行けると思っていなかったので大興奮!
これまでのどの雪遊びよりも早く準備を済ませ、出発しました。(遊びたいという気持ちが子ども達の準備を早くさせたのだと思います(笑))
▽遠くには旭川市街地の光が見えています。
夜の雪遊びは、日中とは全く違った楽しさがあります。
始めは真っ暗な中で遊ぶのに怖さを感じていたようですが、少しずつ目が慣れてくると地形や仲間の場所が見えるようになってきます!
▽写真撮影用にライトをつけていますが、ライトを消すと本当に真っ暗です!
▽小さく焚火をして、温かさや明かりの大切さを感じました~!
宿に戻ったら歯磨きや水筒を洗う作業をそれぞれやります。
3日目ともなれば慣れた手つきで翌日の準備をすることができていました!
こうして3日目が終了しました。
1日間でさまざまな発見をしながら遊び尽くした子ども達。楽しみながら経験したことが、そのまま学びになっているので、子ども達の記憶にもより強く残っていると思います。
ですが、「もう明日帰るんだよね?」と帰りたくない気持ちを見せる子もいました。
遊び・学び尽くしの3日間でした。
4日目はさらにいい日になりますように!!
ライトマン